
夕樹舞子
夕樹舞子
90年代を彩った伝説のAV女優・夕樹舞子
【その輝かしい軌跡と素顔】
ある年代以上のAVファンにとって、夕樹舞子のお名前は大変懐かしい響きを持つのではないでしょうか。
彼女は1990年代後半に、まさに伝説的な人気を誇った超人気AV女優でした。
その全盛期は今から25年以上も前のことになりますが、ルックスやスタイルのレベルが格段に向上した現在のAV女優たちと比べても、夕樹舞子の魅力は際立っていたと言えるでしょう。
【鮮烈なデビューと瞬く間のトップスターへ】
夕樹舞子がAVデビューしたのは1995年4月のことでした。
ティファニーから『処女宮 卒業〜グラデュエーション〜』という作品で華々しく登場しました。
当時のAV業界は、時折アイドル顔負けのルックスを持つ女性が登場し始めた頃でしたが、その中でも夕樹舞子のルックスは群を抜いており大きな話題となりました。
あどけなさを残す可愛らしい顔立ちと、少し生意気な妹のようなキャラクターがファンを魅了し、瞬く間にトップAV女優の仲間入りを果たします。
デビュー作から出演作は軒並み万単位のセールスを記録するなど、順調な活躍を見せていました。
【「男性恐怖症」という理由と活動休止】
17歳の時には既にAV女優になることを決意していたという夕樹舞子。
デビュー前から、事務所関係者との食事会にも参加していたそうです。
彼女がAV女優を目指した理由として当時語られていたのは「過去に付き合っていた男性の兄から受けた被害により男性恐怖症となり、それを克服するため」という衝撃的なものでした。
「大勢のスタッフが見守るAV撮影ならば男性を怖く感じないのでは」と考えた、とされていました。
しかし、このエピソードは、当時のAVファンや業界関係者の間では「事務所が用意した設定」ではないかと囁かれていたようです。
1990年代半ばはAV女優という職業に対する偏見がまだ根強く、特に彼女のようなアイドル路線で売り出された女優はこうした背景を語ることが少なくありませんでした。
「有名になりたい」「お金を稼ぎたい」といった率直な理由を語ることは、まだ憚られる時代だったのです。
順風満帆に見えた夕樹舞子でしたが、デビューからわずか1年ほどで「男性恐怖症が克服できなかった」という理由でAV女優としての活動を休止してしまいます。
この最初の活動期間は約1年、出演本数は12本。
引退作品となったのは1996年5月リリースの『さよなら夕樹舞子 「しようよ…逢えなくなるから」』でした。
ハードな絡みはありませんでしたが、その抜群のルックスと愛すべきキャラクターでAV界に強烈なインパクトを残しました。
当時のレンタルショップでは、ハリウッドの大作と並んで夕樹舞子の特設コーナーが設けられるほど、フィーバーぶりは過熱していました。
【アジアの女神へ、そしてストリッパーとしての活躍】
AV活動休止後もその人気は衰えず、テレビドラマや映画、Vシネマにも多数出演しました。
特に1998年にはNHKドラマ「青い花火」のオーディションに合格し、本格的な女優デビューを果たしたことを、本人は「本当に嬉しかった」と語っています。
また、この時期に香港などで夕樹舞子の海賊版AVが多数流通したことがきっかけで、アジア圏で人気が爆発。
「アジアの女神」と称され、現地では映画スター並みの知名度を得たと言われています。
この人気を受け、1998年から2年間限定でVシネマでヌードも披露しています。
1999年5月には、タレント活動の一環として浅草ロック座でストリッパーとしてもデビューを果たします。
「アイドルだからパンツは脱がなくてもいい」という特別待遇だったにも関わらず、彼女のショーは連日超満員で、ロビーまで人が溢れてドアが閉まらなかったという逸話も残っています。
夕樹舞子自身も「(ストリップを)日本の文化として広めたい気持ちもあった」と語っており、その後約14年間にわたり、日本国内だけでなく海外でもストリッパーとして活躍しました。
2007年にはマカオの高級ホテル内劇場のメインダンサーにも抜擢されるなど、国際的な活動も展開していました。
【電撃的なAV復帰とその後】
そして2010年、長い沈黙を破り夕樹舞子は39歳で電撃的にAV界へ復帰しました。
かつてのような若々しさとはまた違う、長年のストリップで鍛えられた身体は年齢を感じさせない美しさを保ち、大人の色気を漂わせていました。
しかし、この復帰作や過去の作品も「疑似」であったことが後に語られ、一部のファンからは厳しい意見も出たようです。
時代の変化もあり、現代のAV市場では「疑似」に対する評価が厳しくなっていたのかもしれません。
AV女優としての実質的な活動期間は、復帰期間を合わせても約1年半と短く、総出演作品数も18本(総集編含まず)と決して多くはありません。
しかし、その短い期間で彼女がAV業界に残したインパクトは絶大で、間違いなく一時代を築いた伝説的なAV女優の一人と言えるでしょう。
その後、2015年7月には得意の料理を活かし、東京・銀座に自身のお店『ディアーナ夕樹舞子の店』というスナックをオープンしました。
「伝説のAV女優に会える店」として話題になりましたが、残念ながら2016年に閉店しています。
AVデビューから長い年月が経ちましたが、夕樹舞子の美しさや圧倒的な存在感は、今も多くのファンの記憶に鮮明に残り続けています。
その輝かしいキャリアと、時代を駆け抜けたエピソードは今後も語り継がれていくことでしょう。
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