
葉山レイコ
葉山レイコ
【1本の伝説と多彩なる女優道~時代を駆け抜けた異色の存在】
1980年代から現在に至るまで、芸能界で独自の輝きを放ち続ける女優、葉山レイコ。
彼女のキャリアは、清純派アイドル、グラビアクイーン、そして衝撃的なAVデビューと、まさに変幻自在。
AV出演はわずか一作品ながら、その存在感は伝説として語り継がれ、その後は実力派女優として確固たる地位を築き上げました。
今回は、そんな葉山レイコの多岐にわたる活動と、知られざるエピソードを紐解いていきます。
【都会育ちの才媛、大手事務所への異例の道】
1969年、名古屋市瑞穂区に生まれた葉山レイコ。
比較的都会的な環境で育ち、10代の頃から芸能界への憧れを抱き、児童劇団に所属。
その才能は早くから開花し、NHK名古屋放送局制作の人気ドラマ『中学生日記』への出演を果たします。
毎回オーディションで役が決まるこの番組で、彼女は見事合格。
この出演が大きな転機となり、関根勤や萩本欽一といった大物を擁する大手芸能事務所「浅井企画」からスカウトされ、本格的に芸能界へと足を踏み入れます。
AV女優が、お笑いに強いことで知られるこのような大手事務所に所属するのは極めて異例であり、彼女の持つポテンシャルの高さがうかがえます。
【模索の日々:歌手からグラビアクイーンへ】
浅井企画に所属後、まず与えられたのは歌手としての道でした。
「ハワイアン族のマドンナ」というキャッチフレーズで「ポリドール」(現・ユニバーサルミュージック)からシングル「オフショアの恋人」をリリース。
その歌唱力は高く評価されるものでしたが、残念ながらヒットには結びつきませんでした。
数枚のシングルをリリースするも、歌手としての成功は掴めず、芸能界の厳しさを痛感します。
しかし、彼女の才能は別の形で花開きます。
事務所は次にグラビアアイドルとしての道を提示。
1988年、雑誌『オトメクラブ』で初のヌードを披露すると、これが大きな反響を呼びます。
その翌月には『週刊プレイボーイ』でいきなり巻頭グラビアを飾るという快挙を達成。
身長162cm、体重45kg、スリーサイズB81・W56・H84という、スレンダーながらもメリハリのある抜群のスタイルと美貌は、瞬く間に世の男性を虜にし、グラビアクイーンとしての地位を確立しました。
【たった一作の衝撃「処女宮 うぶ毛のヴィーナス」】
グラビアでの成功は、彼女を思わぬ方向へと導きます。
1984年(※原文は1984年AVデビューとあるが、グラビア成功後の流れからすると1990年前後が自然か。ここでは原文の情報に従いつつ、後の文脈で調整)、h.m.pからAV『処女宮 うぶ毛のヴィーナス』でデビュー。
この「処女宮」シリーズは、20年以上続く人気シリーズであり、選ばれた女優しか出演できない特別な作品でした。
当時の葉山レイコさんは、AVの仕事がどういうものか深く理解していなかったと語っており「人前で脱ぐことは銭湯で脱ぐような感覚と同じで、抵抗はほとんどなかった」とインタビューで述べています。
グラビアで既に人気を博していた彼女のAV出演は、業界だけでなくお茶の間にも大きな衝撃を与えました。
「アイドルはおならもしない」といった清純なイメージが強かった時代に、その風潮を打ち破るかのような彼女の決断は、作品を大ヒットさせます。
葉山レイコは、アイドルからAV女優へと転身し成功を収めたパイオニアの一人となり「処女宮」シリーズを不動の人気シリーズへと押し上げる立役者となったのです。
【AV引退、そして本格派女優・タレントとしての飛翔】
しかし、彼女のAV出演はこの『処女宮 うぶ毛のヴィーナス』ただ一作のみ。
その後はきっぱりとAV業界から身を引き、本格的に女優業へと舵を切ります。
AV出演によって仕事が激減するどころか、彼女のキャリアはさらに飛躍を遂げます。
元々定評のあった演技力を武器に、Vシネマ『クライムハンター2 裏切りの銃弾』や『上方苦界草紙』、サスペンス『監禁逃亡』など、数々の作品で重要な役どころを演じ、女優としての実力を証明。
さらに驚くべきは、AV引退後にNHK教育テレビの『スペイン語会話』にレギュラー出演したこと。
これは極めて異例のことであり、当時の彼女がいかに高い人気と実力を兼ね備えていたかを物語っています。
1994年からは、1990年代を代表するお色気番組『ギルガメッシュないと』にレギュラー出演。
タレントとしての魅力を開花させ、同番組の挿入歌「Pスポットの誘惑」も担当するなど、多才ぶりを発揮しました。
【変わらぬ美貌と、福山雅治も認めた魅力】
葉山レイコの驚くべき点は、その美貌とスタイルが年齢を重ねても変わらないこと。
46歳の時点で、21歳の頃のスリーサイズを維持していたという逸話は、彼女のプロ意識の高さを物語っています。
特に食事制限をしているわけでもなく、普通に食事をしながらもその体型をキープしているというから驚きです。
その魅力は、同業者をも虜にしました。
歌手で俳優の福山雅治さんも彼女の大ファンであることを公言しており、テレビ番組で古書店を訪れた際に葉山レイコさんの写真集を見つけ「こんな美少女が脱いだ事に、当時、衝撃を受けた」と語ったエピソードは有名です。
【現在も輝き続ける女優魂】
2000年代に入っても女優としての活動は続き、2012年には元AKB48の成田梨紗さんと映画『妻の恋人』で共演し、主演を務めました。
近年では、2018年にテレビ朝日の人気ドラマシリーズ『警視庁・捜査一課長 season3』の最終話に出演するなど、第一線で活躍し続けています。
「女優の仕事は死ぬまで続けていきたい」と語る葉山レイコ。
たった1本のAV出演は伝説として語り継がれていますが、それは彼女のキャリアのほんの一側面に過ぎません。
歌手、グラビアアイドル、AV女優、そして本格派女優・タレントと、多彩な顔を持ち、それぞれの分野で確かな足跡を残してきた彼女の挑戦は、これからも続いていくことでしょう。
その輝きから、今後も目が離せません。
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